平昌(ピョンチャン)冬季オリンピックでの日本女子のスピードスケートでの活躍は素晴らしいものでした。
スピードスケート女子500メートル
小平奈緒(31=相沢病院)は36秒94で金メダルを獲得。ライバルの李相花(韓国)の37秒33を上回り、OR(オリンピックレコード)を達成しました。
韓国の李選手は2010年のバンクーバーオリンピック、そして2014年のソチオリンピックのスピードスケート女子500mで金メダルを獲得した強者。3連覇に向けて、女子1000mを棄権して500mに挑んでいましたが、惜しくも達成出来ませんでした。
李選手の打ちひしがれた姿に、小平奈緒は韓国語で「チャレッソ(잘 했어!よくやったね)」と李選手を励まし、加えてこう讃えたそうです。「あなたをまだリスペクトしているよ(I still respect you)」
この様子を見た人々は、互いに切磋琢磨し深い絆で結ばれた彼女たちの関係は勝ち負けだけで出来ているものではないという事実を知り、そのことが国を超えて感動を誘いました。
さらに記者会見では、今年1月に亡くなり、同じ信州大学で共に学んだ住吉都選手への思いについて問われ、 「(目を赤くしながら)正直、彼女のことは何度も何度も思い出すことが多くて、やっぱり考えないようにしていても、常に頭に浮かんでしまっていたので。それでも主将として、レースに集中して臨まなければいけないと考えていました。これは言っていいか分からないですが、住吉選手が『奈緒が金を取ったら私が取ったのと同じ』と言っていて、救われたような思いだったのですが、こうやって金メダルを取ることができて、本当は本人に報告したかったのですが、できないのは残念だと思います」と述べました。この会見で小平は、「金メダルは名誉、でも生き方が大事」と深く重い言葉を語りました。
(http://www.huffingtonpost.jp/2018/02/18/speed-skate-kodaira-nterview_a_23365005/)
スピードスケート女子団体パシュート
高木美帆(23=日体大助手)、高木菜那(25=日本電産サンキョー)、佐藤綾乃(21=高崎健康福祉大)、菊池彩花(30=富士急)の4人のチームが強豪オランダを制し、金メダルを獲得。個人ではオランダに及ばないところをチームの力で乗り越え、勝利をものにしました。
この4人の努力は凄まじいものであったはずですが、この悲願の金メダルの裏には、もう一人 ”5人目のメンバー”押切美沙紀選手の存在が有ったのだそうです。押切選手はナショナルチームの初期メンバーに選ばれ、髙木姉妹らと年300日以上生活を共にし世界距離別選手権で髙木姉妹と銀メダルを獲得するも、全治1ヶ月の怪我に見舞われ、団体パシュートの代表入りができませんでした。それでも、日本代表チームの5人目として皆を支え続けました。オランダに勝利した日本代表はウイニングランで、真っ先に押切選手のいる前に駆け寄り、共に勝ち取った勝利であることを示しました。その後のインタビューで、代表メンバーは押切選手について「本当に特別な存在、勝利の女神」「押切さん大好きです」と語りました。(2018年2月23日放送 8:14 - 8:25 フジテレビ 情報プレゼンター とくダネ! PyeongChang 2018より)
トップアスリートたちが偉業を達成する裏には、いつも感動的なドラマやエピソードがあります。そしてドラマはオリンピック終盤にもありました。24日に行なわれた新種目の女子マススタートでなんと高木菜那(25=日本電産サンキョー)が勝利し金メダル(初代女王)に輝いたのです。