9月1日のBBCニュースによると、ネパールと中国・チベットの国境沿いの地域で8月26日に発生した大規模な土石流は、1日夕方までに死者が計1000人を超え、行方不明者は計約4500人となっており、今後さらに増加するとみられています。

この大惨事の映像を見た時、今まで見たことのない悲惨な状況に驚き、そしてまた恐怖の念にとらわれました。逃げ惑う人々や建物や道路を一瞬にしてのみこむ土石流の速さと凄さには言葉を失いました。土石流は時速167キロ・メートルに達し、約8分で約22キロ・メートル離れた国境検問所に到達しました。今回の洪水原因として報じられている氷河崩落は、ヒマラヤ山脈のラントン・リルン峰の氷河に関連するとみられています。 AP通信は、ネパール・チベット国境で起きた今回の洪水について、Langtang Lirung peak の氷河区画とその下の岩盤が崩れたと伝えています。

今回、土砂崩れの被害映像が公開された国境検問所の中華人民共和国吉隆出入国管理事務所は、古代吐蕃とネパール王国を結ぶ要衝に設置されています。中国とネパールの陸路貿易量の60%以上を占める要所です。2017年から第三国の国民にも開放され、中国とネパールの国境のうち、複数国の人々が通行できる数少ない出入国管理事務所です。昨年7月の土砂崩れで今年1月まで閉鎖された後、上半期だけで10万人以上が利用したと香港紙「星島日報」が報じました。

ネパールの英字紙カトマンズ・ポストは9月1日、シシル・カナル外相が「(今回の土石流で)我々が引き起こしたわけではない地球規模の危機への大きな代償を払っている」と述べ、温室効果ガスの主要排出国である中国や米国、インドに対して「補償」を求める考えを示したと報じています。ネパールと中国の国境地帯で発生した土石流の詳細な原因は明らかではないが、ネパール政府は気候変動が要因の一つだと主張しています。
専門家は今回の氷河崩落による大惨事は地球温暖化によるものと考えています。地球温暖化への取り組みの欠如が招いた出来事は人類に対する自然からのしっぺ返しで、それが今後もさまざまな形で世界のいたるところで起きてくるでしょう。
かつて河口慧海(彼のチベット旅行記を読んだばかり)も仰いだというカイラス山はヒンドゥー教徒と仏教徒の双方から崇拝された聖地。8月はこのカイラス巡礼やラサ巡礼などの最盛期で、今回大惨事が発生した地域はネパールのカトマンズからチベット巡礼の起点となるシガツェへ向かう国境の町。この時期多くの巡礼者や観光客で賑わいます。その中で起きた悲惨な出来事です。亡くなった方々の冥福をお祈りするとともに、被害に遭われたすべての方々が救済されるよう、国際社会の支援が必要です。さらにエネルギー消費量の大きな大国の指導者たちは温暖化対策をするために具体的なアクションプログラムを実行してほしい。気候科学の専門家は「発展途上国は、温室効果ガスの排出量が少ないのに、その悪影響に対して脆弱(ぜいじゃく)だ。日本を含む先進国が責任を持って気候変動対策を進めなければならない」と指摘しています。







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