SkyDreamの日記

果たして空を飛べるだろうか?

師弟の口伝

先日、あるセミナーで「落語家による講演」を聴講しました。

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そのテーマは「師弟の口伝(くでん)で繋がる」というものでした。口伝とは、師が学問や技芸の奥義などを弟子に口で伝えて教え授けることです。講師は落語家の桂米多朗(かつらよねたろう)さんでした。

あの桂米助(かつらよねすけ)さんの一番弟子です。といっても米助さんの弟子は彼一人。桂米丸さん(四代目)の一門でそこには歌丸さんもいます。それで、米多朗が若いころ芸能界にどうしても入りたいところから出発して、東八郎に入門し、しかしその後小山田満月氏(放送作家、脚本家)の勧めで米助に弟子入りし、そこから師匠といろいろありながら、苦労しつつも前座から二つ目、そして新打ちへと成長していく体験を物語るものでした。

その中に、「落語家系の歴史の中で生かされている」という言葉がありました。芸の道はどこもその道の師匠、先輩、仲間などから学び継承し、また新たな芸を生むのですが、それは一人で成せる技ではなりません。ひるがえってこれは、普通に人が生きる場合でも同じようにあてはまる言葉でもあります。どんな道に進もうが、その道の先生、先輩、仲間から学び成長してゆくものなのですから・・。

 

面白い話は多岐にわたり、脱線話・失敗話も多くそれは伝えきれません。最後に披露された落語「時そば」ならぬ「年そば」のオチも、なかなかおもしろかったです。今回、ソバ代16文の金の勘定をごまかす時にソバ屋の孫の齢が使われていました。改作は多く、物語はもちろん1つではありません。(http://allabout.co.jp/gm/gc/207081/)